ブラッシュペンで絵師気分!? 和樂ArtBOX「ぬりえで浮世絵」
日本美術の魅力を発信し続ける小学館の雑誌『和樂』。その『和樂』が、今夏新たにぬりえ本を発売しました!「和樂ArtBOX」と題されたシリーズの第一弾は、日本を代表するアート、浮世絵を使用したぬりえ。しかも7色の水性グラフィックマーカーと水筆がセットになった豪華なスターターキットです。さあ、おうちで浮世絵ぬりえを楽しみましょう。
筆ペンのような水性マーカーで、気分は浮世絵師
和樂ArtBOX『ぬりえで浮世絵』は、B5判の紙製ボックスになっています。開封すると、北斎の花鳥画「菊に虻」の線画をあしらったボール紙の中に、カラフルな7色の水性グラフィックマーカーと水筆、そして10点のぬりえと説明の小冊子が入っています。
この水性グラフィックマーカー、トンボ鉛筆のベストセラー商品「ABTマーカー」。1984年の発売以来、プロのデザイナーやイラストレーターから厚い支持を得ている本格派なんです。特殊ナイロン繊維を束ねた筆と細芯のツインヘッドなので、表情のある色面も、点や線を描くにも、これ一本でOK。
筆ペン型のヘッドはしっかりとしたコシがあるので、線の強弱もコントロールしやすいです。浮世絵の輪郭線をなぞっていると、まるで浮世絵師の気分になれますよ。
しかも、このトンボ鉛筆のABTマーカーの通常価格は1本300円(税別)。つまり7本で2,100円。『ぬりえで浮世絵』の販売価格は2,200円(税別)なので、これはかなりお得です!
表現の幅がグッと広がるテクニック帖
ABTマーカーは、さまざまな表現が可能で、水筆を併用すれば水彩画風に仕上げることもできます。同梱の「テクニック帖」には、10図の浮世絵の作品解説とともに、その作品の世界観をぬりえで再現する方法の一例が示されています。
「テクニック帖」では、浮世絵の風景には欠かせない技法「ボカシ」なども紹介。マーカーと水筆でグラデーションをどのように再現するかといったテクニックも、丁寧に説明しています。また美人画の着物の柄など、自分好みにアレンジできる配色のコツが載っているのも嬉しいポイント。
ABTマーカーは全108色展開なので、本セットに入っていない色のマーカーを買い足して、さらに自分だけのオリジナルの浮世絵に仕上げるのも楽しいですね。
編集部が実際にぬってみました!
ということで、小学館さまよりご提供いただいた『ぬりえで浮世絵』を、編集部の一人がさっそく体験! ぬりえなんて何年ぶりでしょうか……。リモートワークの日のおやつ時間にチャレンジしました。
悩んだ末、スタッフが選んだのは、我らが北斎の「富嶽三十六景 凱風快晴」。あえて究極の摺の技術を要する、あの名作にマーカーで挑みます。
*北斎の「凱風快晴」の山の部分は非常に高度な摺の技術を要します。こちらの記事もあわせてご覧ください。
「赤富士」再発見!〈その2〉 雄大な富士を表現する摺(「北斎今昔」編集部/2020.07.03)
まずは赤いマーカーを手に、山肌をぬり始めるスタッフ。思わず「校合摺に色差しをしている(※)ような気分!」という非常にマニアックな感想がこぼれます。そして当然、版画のようにすっきりと均一にはぬれない赤富士……。
※ 江戸時代の浮世絵版画の制作工程では、まず絵師が描いた下絵をもとに「主版(おもはん)」と呼ばれる輪郭線の版木を彫り、その主版を何枚か摺ったところに、色の指定を描きこんでいきました。この作業を「色差し」と呼びます。
途中であきらめて方向転換した結果……
スイカ富士完成! 切手を貼って送れるようになっているので、今年の暑中見舞いにしてみました。誰もが知っている名作がそろっているので、このようにパロディ風に仕上げても「なるほど、そう来たか!」というやりとりが楽しめますね。海外の人にも受けるかもしれません。
今夏はぜひおうちで、自分だけのオリジナル浮世絵をつくってみてください!
商品情報
■ 和樂ArtBOX 『ぬりえで浮世絵 グラフィックマーカーセット』
[価格]2,200円(税別)※数量限定発売
[購入方法]全国の書店、Amazon(アマゾン)、楽天ブックス、セブンネット、ほか
協力・株式会社小学館
文・「北斎今昔」編集部
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