葛飾北斎（1760-1849）が生涯のほとんどを過ごしたと言われる東京都墨田区の区立美術館、すみだ北斎美術館。北斎やその門人の作品を幅広く所蔵する同美術館からこの夏、初のオフィシャルブックが発売されました。同館所蔵の「冨嶽三十六景」全46図から天才・北斎の技と着想に迫る、その名も『THE北斎 冨嶽三十六景ARTBOX』は、さまざまな切り口から北斎生涯の代表作の魅力を伝える、まさに北斎のガイドブックです！

北斎の世界を手のひらで楽しむ

『THE北斎 冨嶽三十六景ARTBOX』は、縦横15cm程度のコンパクトサイズとなっています。全編オールカラー、さらに全図解説付きなので、いつでもどこでも、手のひらの上で北斎の世界を存分に楽しむことができます。

表紙を開くと、まずは「冨嶽三十六景」の全46図がずらり。絵師のサインである落款をヒントとして制作年代を６つに分けた群ごとに図版を並べており、「冨嶽三十六景のすべて」が一目でわかるようになっています。

続けてページをめくってみると、「冨嶽三十六景マップ」が掲載されていました。それぞれの作品がどこの視点から見た景色なのか、地図上でわかるのはありがたいですね！　これまで意識していなかっただけで、意外となじみのある場所が名画のビューポイントだったりするかもしれません。実在の場所であることがわかると、200年前に生きた北斎の視点を実感できるので、「冨嶽三十六景」をこれまでより身近に楽しんでいただけるようになること間違いなしです。

大胆なズームが魅力！細かなディテールまでじっくり鑑賞

『THE北斎 冨嶽三十六景ARTBOX』では、すみだ北斎美術館所蔵の「冨嶽三十六景」全46図をオールカラー、そして全図解説付き（一部英語対応）で掲載しています。江戸時代に制作されたオリジナルの浮世絵の図版を見ながら、浮世絵の専門家の解説をじっくり読むことができます！

なんといっても、一番の魅力はその大胆なズームアップ。各図の全体像に加えて、画面いっぱいまでぐぐっ！と寄った画像も掲載し、作品の見どころをとことん紹介しています！ 「全体像→作品解説→ズームアップ」の流れで細かな描写やディテールまで見られるので、北斎の巧みな画面構成や着想への理解が深まります。

画面に描きこまれた個性豊かな人物たちが、私たちに作品の見どころを教えてくれます。まるで北斎の作品の中に入り込んだよう！ 一図一図を心ゆくまで堪能できる『THE北斎 冨嶽三十六景ARTBOX』で、ぜひご自宅でのひとときをお楽しみください！

商品情報

■ 『THE北斎 冨嶽三十六景ARTBOX』　すみだ北斎美術館（奥田敦子）編著
［価格］2,200円（税別）
［購入方法］すみだ北斎美術館ミュージアムショップ、全国の書店、Amazon（アマゾン）、楽天ブックス、ほか

すみだ北斎美術館で北斎を味わいつくす！

『THE北斎 冨嶽三十六景ARTBOX』は、すみだ北斎美術館の初の公式BOOK。もちろん、すみだ北斎美術館のミュージアムショップでもお求めいただけます。 同館のミュージアムショップには、デザイン性抜群の北斎グッズが豊富にそろっています。１階のエントランスにあり、開館時間中であれば、観覧券をお持ちでない方も利用できますので、お近くにお立ち寄りの際にはぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

北斎生誕の地のそばに建ち、北斎やその門人の作品を幅広く所蔵しているすみだ北斎美術館では、９月15日から、企画展「新収蔵品展 ― 学芸員が選んだおすすめ50 ―」が開催されます！　同館が開館した2016年以降に新しく収蔵された作品の中から、学芸員の方々えりすぐりの名品たちが並ぶ展覧会は必見。「冨嶽三十六景」の三役、「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」「山下白雨」の展示も予定されていますので、『THE北斎 冨嶽三十六景ARTBOX』と合わせてご覧いただくのもおすすめです！

展覧会情報

文・杉本奈緒（「北斎今昔」編集部）