クリエイティブの第一線を走り続けるアーティスト・田名網敬一氏。
サイケデリックでタイムレスな独自のスタイルを貫きながらも、その作品はまるで鏡面のように現代社会の闇を映し出しています。本年(2021年)も、地震や感染症の流行から生じる現代における「恐怖」をテーマにした企画展(熊本市現代美術館)で、新作を発表予定。憂き世(現世)を写し取っているという意味で、田名網敬一氏が描き出すのは、まさに現代における浮世絵とも言えるでしょう。
このたび、伝統的な浮世絵の制作技術を今に受け継ぐ職人たちとのコラボレーション作品、待望の第二弾が完成しました。浮世絵の橋の上から眺める、二つの世界。エロスとタナトスが織り成す田名網敬一氏の新たな"浮世"が、ここに再び。
部 数:120部
画寸法:56.5×39.7 cm
額寸法:72.7×54.5 cm 専用額について
額仕様:アルミ額(黒)、全紙サイズ
版 種:木版画
用 紙:越前生漉奉書(人間国宝 岩野市兵衛)
出版年:2021年9月
特 典:校合摺(直筆サイン&シリアルナンバー入り)
制 作:株式会社アダチ版画研究所
監 修:(公財)アダチ伝統木版画技術保存財団
協 力:NANZUKA
木版画の骨格とも言える
輪郭線の版木(主版)の彫り。
丁寧に一刀一刀を入れます。
輪郭線のみでも
圧倒的な存在感を放つ
田名網作品の版木。
主版を摺った校合摺。
多色摺の版画は
複数の版木を用い
色ごとに摺っていきます。
職人としての経験と
現代的な色彩感覚の
双方を求められる
絵具の調合。
一色ずつ摺り重ねながら
全体の色のバランスに
細心の注意を払います。
和紙の繊維の中に
絵具の粒子をきめ込む
伝統木版ならではの摺。
桜吹雪が映える
目も覚めるほどの
鮮やかな木版のブルー。
人間国宝・岩野市兵衛が漉いた、
楮100%の手漉き和紙
(越前生漉奉書)を使用。
田名網作品の特徴のひとつともいうべき、密教曼荼羅的な緻密さ。彫師は、鋭利な小刀の刃先に神経を集中させ、その緊張感をそのままに、山桜の板に版を彫り上げました。
長い作家活動の中で、さまざまな表現技法を用いながらも一貫している田名網作品の色彩。伝統木版の鮮やかな発色と好相性である一方、鮮烈さと、そこに潜む一種の毒気をいかに引き出すかは、摺師にとっての新たな挑戦でした。
撮影:森健児
1936年東京生まれ。武蔵野美術大学を卒業。1960年代よりグラフィックデザイナーとして、映像作家として、そしてアーティストとして、メディアやジャンルに捕われず、むしろその境界を積極的に横断して創作を続け、その半世紀を優に超える活動の歴史と軌跡は、21世紀における新たなアーティスト像の模範として、世界中の若い世代のアーティストから絶大な支持を集めている。2019年には、adidas Originalsとのコラボレーション「Adicolor x Tanaami」コレクションを発表。同年秋にリニューアルオープンしたNY近代美術館(MoMA)にも作品が常設展示されるなど、戦後日本を代表するアーティストとして唯一無二の評価を受けている。
また、シカゴ美術館、ナショナル・ポートレート・ギャラリーといった世界中の著名美術館が、近年新たに田名網作品を収蔵している。
近年の主な展覧会:「International Pop」(ウォーカー・アート・センター、ダラス美術館、フィラデルフィア美術館/2015-2016)、「The World Goes Pop」(テート・モダン/2015)、「Tokyo Pop Underground」(ジェフリー・ダイチ/2019)など多数。
◆ 田名網敬一オフィシャルサイト ≫
申込み期間:2021年9月17日正午〜24日正午
初回販売、30部
※申込みは、お一人様につき1商品限りとなります。
複数お申込みの場合には、抽選対象外となります。ご了承ください。
特典:校合摺(直筆サイン&シリアルナンバー入り)1枚
田名網作品の緻密な線描をお楽しみいただけるよう
作品の輪郭線の版のみを摺った校合摺を作品とともにお届けします。