「Chrysanthemum」は、iPadで描いた絵から始まりました。純粋にデジタルな作品でありながら、1本1本の線はスケッチの描線の質感や躍動感を模倣していますが、タブレット上のファイルとしてのみ存在する、機械の中の亡霊です。しかし、この画像に込められた「魂」のようなものが、細心の注意を払った作業によって木版に彫られ、手漉き和紙の繊維に摺り込まれました。木版画という媒体によって生み出される女神〈ミューズ〉のシリーズに今回新たに加わった「Chrysanthemum」に描かれた菊の女神は、炎のトルネードに囚われています――虚飾が焼き払われ、内なる本質があらわになるのです。花びらは心臓のように脈打ち、燃えるような破壊と再生のプロセスの鼓動を刻んでいます。(ジェームス・ジーン氏のコメントより)
部 数:120部
画寸法:27.0×36.0 ㎝
額寸法:44.0×56.0 ㎝ 専用額について
額仕様:約2.0kg、木製、アクリル
版 種:木版画
用 紙:越前生漉奉書(人間国宝 岩野市兵衛)
出版年:2021年6月
監 修:公益財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団
制 作:株式会社アダチ版画研究所
納 期:2021年7月中旬よりお届け開始
ジーン氏が
独特の美しい線で
女性像を描いていきます。
ジーン氏がiPadで描いた作品の
ラフスケッチ。
ジーン氏の描いたアウトラインが
滑らかな凸線となって
彫りあげられていきます。
彫り上がった主版の版木。
ジーン氏の美しい描線が
忠実に再現されています。
主版を摺って生まれた
繊細なアウトライン。
摺師が調合した木版画独自の
鮮やかな色彩で
一枚一枚摺り上げていきます。
人物像に施された
微妙なニュアンスの
グラデーション。
人間国宝・
岩野市兵衛が漉いた、
楮100%の手漉き和紙
(越前生漉奉書)を使用。
日々森羅万象と向き合い、その独特の世界観を美しい線で自在に描いていくジェームス・ジーン氏。彫師は、絵師であるジーン氏の意図を読み解きながら、その優美で滑らかな線をリズミカルに彫りあげていきます。小刀一本で繊細な線を彫る作業は、彫師が最も高い集中力と精度を求められる場面です。
伝統木版画特有の軽やかで鮮やかな発色は、丁寧に作られた楮の和紙に水性絵具を馬連を使って摺りこむことで生まれます。摺師は、ジーン氏と彼の描いた"Chrysanthemum"の世界観を感じ取りながら、色を調合し、摺り重ねていきます。
幅広いジャンルにおいて多面的なアプローチで創作活動を展開するジェームズ・ジーン。台湾で生まれ、現在はロサンゼルスを拠点とするジーン氏は、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、香港、東京、そして韓国などで開催される美術展に参加するなど、世界を舞台に活動されています。 ジーン氏は、現代的なテーマを中国、日本、ルネッサンスなど伝統的な美術や様式と融合させ、彼だけの宇宙的な世界、神話のように壮大な世界を描きだし、人々を魅了しています。2021年5月14日、ソウルにある新しい「HYBE INSIGHT」ミュージアムにて公開された、K-POPグループ・BTSとの活気溢れるコラボレーション「Seven Phases」は、2021年11月14日まで展示されます。
申込み期間:2021年6月25日正午~7月5日正午(日本時間)
※申込みは、お一人様につき1商品限りとなります。
複数お申込みの場合には、抽選対象外となります。ご了承ください。