絵画、彫刻、リトグラフなどの様々な表現方法を通じて、独自の世界を作り上げてきた加藤泉氏が、このたび伝統木版による新しいUKIYO-E制作に初めて挑戦されました。島根県の自然豊かな土地に生まれ育った加藤泉氏。人物をモチーフに、プリミティブなイメージを持ちつつも、そこには収まりきらないような力強く生命力に満ち溢れた加藤氏の魅力が、伝統木版の技術によって新しいUKIYO-E第1弾として完成しました。
絵師 加藤氏が描いた
細いドローイングの線を
忠実に小刀で丁寧に彫っていきます。
彫りあがったアウトラインの版木。
木版独特の鮮やかな色彩で
一枚一枚摺り上げていきます。
絵師 加藤氏の描いた描線の強弱を
摺の濃淡で表現しています。
首の部分は"ざら摺"という技法で、
クレパスで描いた原画のように摺りあげます。
和紙と墨、そして摺師の技で生まれた
木版独特のマットな黒。
欄外に書き込まれた
加藤氏の直筆サイン。
人間国宝・岩野市兵衛が漉いた、
楮100%の手漉き和紙
(越前生漉奉書)を使用。
加藤氏の描くリズミカルで生き生きとした描線は、作品に力強い生命力を与えます。彫師は、線に込めた加藤氏の意図を忠実に汲み取り、彫りあげていきます。
伝統木版画特有の軽やかで鮮やかな発色は、手漉きの和紙に馬連で水性絵具を摺りこむことで生まれます。そして、随所に“ぼかし”や“ざら摺”といった摺の技法を駆使することで、クレパスで描いたような独特の質感が生まれました。
Photo: Guillaume Ziccarelli
“今回、浮世絵を作る工房と仕事できたことは、また自分の制作の引き出しを増やせたような気がして、とてもいい経験でした。もちろん浮世絵版画のもつ繊細な技術に感動しましたが、僕の作品はもっとその技術とコラボレーションを進めることができると思っています。いわゆる浮世絵版画のものをつくるのではなく、浮世絵がさらに新鮮に感じる何かを表すことができるような気がしています。”
1969年島根県生まれ。1992年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。2007年ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展に招聘されるなど国際舞台で活躍。主な個展として、Red Brick Art Museum(北京、2018年)、2019年はFundación Casa Wabi (Puerto Escondido、メキシコ)、そして原美術館/ハラ ミュージアム アーク(東京/群馬)2館での同時開催など。
部 数:各図120部
画寸法:34.6×25.8 cm
版 種:木版画
用 紙:越前生漉奉書(人間国宝 岩野市兵衛)
出版年:2020年3月
制 作:株式会社アダチ版画研究所
監 修:加藤泉スタジオ、(公財)アダチ伝統木版画技術保存財団
納 期:8月上旬
申込み期間:2020年7月22日正午〜28日正午
今回、申込みは全て額装されていない作品のみの状態で受付けております。
額につきましては、当選が確定した方に別途ご案内します。
初回販売、各図20部(セット15セット、単品各5部)
※お一人様につき、1商品のみのお申込みとなっています。
複数お申込みの場合には、抽選対象外となります。ご了承ください。