歌川国貞 

霧中の山水

むちゅうのさんすい

霧の向こうにうっすらと富士山の姿が浮かび上がっています。

シルエットだけで描かれた人影。霧の中で迷わないためにか、一カ所に固まっています。

霧の薄い部分の風景には細かな描写がされ、霧による視界の変化を表現しています。

霧を表現するぼかしが非常に沢山使われており、高度な技術を必要刷る作品。

人間国宝・岩野市兵衛氏が作る和紙(越前生漉奉書)を使用。木版独特の鮮やかな発色や柔らかな温かみのある風合いを作り出しています。


本図は国貞には珍しい風景画。右下手前に斜めにカーブする土手、左に崖と樹木の景色を描き、中景や遠景は霧で霞んだ風景をシルエットで表現しています。細かく描写された部分とぼかしで表現された部分とで霧の濃さを描き分けており、自然の作り出す偶然の姿を捉えた趣のある優れた一枚となっています。

標準価格 22,000円(税込)

画寸法26.0 × 38.0 cm
用紙越前生漉奉書
解説日本語・英語併記
のし対応あり
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